ベイリーの高祖父母の一つが、コンコードということはわかったのだけれど、途中を探ってみると、コンコードの血筋のトリンプは白ぶどうで、ベイリーの赤色やフォクシー・フレーバーが、コンコード由来なのかどうか、わからなくなってきたところ。これって、遺伝子解析すればわかるのかなぁ? もっともわかって、どうなるって話でもないけれど。
サントリーさんのニュースリリースに「ブドウ品種「マスカット・ベーリーA」のゲノム解読に成功 」というのがあって、2018年にゲノム解読は完了していて、フラネオール(フォクシー・フレーバーのもと)生成に関わる遺伝子が存在することがわかったみたい。
最近のマスカット・ベーリーAのワインが、そこまで甘ったるくないのが多い感じがしても、やっぱり、FOXYはあるということなのよね。
ここで、まず川上品種から整理してみると
母 ベーリー
ベーリー・アリカントA 父 アリカンテ・ブーシェ
マスカット・ベーリーA 父 マスカット・ハンブルグ
ブラック・クイーン 父 ゴールデン・クイーン
ローズ・シオター 父 シャスラ・シオター
アリカンテ・ブーシェについては、「アリカント(テ)の正体は?」で書いたとおり、中まで赤いティントレラ系と比較的よく見るヨーロッパ系のぶどうの交配種。別名ガルナッチャ・ティントレラ。
マスカット・ハンブルグについては、「ぶどうの系図」の中に紹介した通り、マスカット系のぶどう。SCHIAVA GROSSA(トロリンガーまたはブラック・ハンブルグ)とマスカット・オブ・アレキサンドリアの交配種。
ゴールデン・クイーンは、イギリス生まれの交雑種。欧・米両方の血筋を引いてます。
シャスラ・シオターは、シャスラ・ブランの変異種。シャスラ・ブランはシャスラとも呼ばれる白ぶどうで、いろんな国でワインにされているのとともに、トルコのあたりでは生食用にもされているとのこと。上記ゴールデン・クイーンの血筋の中にもあるし、同系列のシャスラ・ミュスケがベイリーの系図の中にあるのも、「ベイリーのルーツを探る」で紹介した通り。
川上品種を使った山梨果樹試験場生まれの品種が、甲斐ノワールとネオ・アリカント
甲斐ノワールは、川上品種のブラック・クイーンとご存じカベルネ・ソーヴィニヨン(欧州系)の交配種。複雑に遺伝子が混ざってるけれど、最後の1/2がヨーロッパ系なので、かなりヨーロッパぶどう寄りで考えて良いのかなぁ?
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— もりのパパ (@morinopapa) December 4, 2019
甲斐ノワール 2017
島根県雲南市木次町 (有)奥出雲葡萄園
アルコール分:12%/糖度:7.4%(実測)
鳥取県八頭町の田中康夫氏の畑で栽培された甲斐ノワールで造ったミディアムボディ赤ワイン。甘い香りは微かで、苦味というより渋みがある。ワインらしいワイン。
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ネオ・アリカントは、デラウェアとベーリー・アリカントAの交配種。
そういえば、「アリカンテの正体は?」で、このネオさん、見落としてたわ。
単に「アリカント」と記述されている場合、このネオ・アリカントの可能性も……。
ネオ・アリカント使用のワインが見つかったのは、勝沼の原茂ワインさん。ここに素敵なカフェがあって、「次は行こう!」と心に決めていたのに、10月末に閉店しちゃうというお知らせが……。コロナ自粛で今年はぶどう郷に行けてないうちに。まだ1か月半あるから、行けるか?
一方、コンコードの血筋では、ナイアガラ! 父系も、しっかりラブルスカ種なので、FOXY! ただ、ナイアガラから、強い甘い香りを取ったら、やっぱりらしくなくなっちゃうので、これはこれなんだよね。
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— もりのパパ (@morinopapa) December 26, 2019
おたる醸造 ナイヤガラ(白) 2018
北海道小樽市 北海道ワイン(株)
アルコール分:10%/糖度:9.2%(実測)
久しぶりのおたるワインのナイヤガラです。昔より酸味がちょっと強くなった感じでキリッとしてます。アルコール分低めでジュースみたい。自分の好きな味です。
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ベーリーやコンコードの子孫、もっと、たくさんヒットするかと思ったけど、今のところ見つかったのはこれだけ。コンコードは安定した品種だし、それ以上、工夫する余地がないのかも?