まだピノ・ノワールを知らない

ピノ・ノワールと言えば、ワインの主力品種で、どんなワイン紹介サイトを見ても、筆頭にのぼる品種。これまでに飲んだことがないわけではないけれど、実際にはまだ、なんだかよくわからないかも。
いろんなサイトや本を見ると、世界中で「めざせ、ピノ・ノワール」というくらいの勢いを感じる。サントリーさんでは「人を虜にする華やかで魅力的な香り」、キリンメルシャンさんでは、「気品あふれるピノ・ノワール」で、女王様が微笑んでいらっしゃる。エノテカさんでは「ワインの定番とも言える」……ちょっと普通っぽいか。もっとも本文中には、「ワイン愛好家だけでなく、ワイン生産者までも虜にする」とあるので、どうも悪魔的な魅力のあるぶどうさんなのかしら?

もともとは、フランス、ブルゴーニュのぶどう品種。ロマネ・コンティという高名な赤ワインが作られていることから、最高峰とされるのも無理はないのだけれど、世界で一番の高値で取引されるワインなど、うちに縁があろうはずもなく、結局はわからず仕舞い。

ブルゴーニュ出身のぶどうということで、ドイツではその名も「シュペートブルグンダー(Spätburgunder)」ブルグンダーはブルゴーニュ(Bourgogne)のこと。Spätは「遅い」の意。ブルゴーニュでは、比較的早熟らしいのですが……。ドイツのほうが寒いからかなぁ。現在、ドイツでも赤品種第一位の主力品種です(ドイツワイン:ぶどう品種より)。ブラウアー(Blauer:青の)をつけて「ブラウアー・シュペートブルグンダー」と呼ばれることもあって、オーストリアやスイスでは、短縮形の?「ブラウブルグンダー」とも。

ブルグンダーがつくぶどうは他にもあって「ヴァイスブルグンダー(Weißburgunder)」。Weißは「白」ですから、ピノ・ブラン! 「グラウブルグンダー(Grauburgunder)」は、ピノ・グリ! グリとグラ? GRAY(灰色)
ピノ・ムニエについては、ドイツでは「シュヴァルツリースリング(ミュラーレーベ)」と呼ばれているようです。ムニエは、製粉業者。どうして粉屋なのかは、Wikipediaにもいろいろ書いてあったけれど、よくわかんないっす。

……と、ピノさんたちがいっぱいあるのも、突然変異しやすい性質があるからだそう。とても古い品種で、出自もハッキリしない。
ああーっと、イタリアなどでは、ピノ・ノワールは「ピノ・ネロ」。

日本でも、ピノ・ノワール・チャレンジ?は、盛んなのか、各地で栽培されています。
収量的には、赤ワイン品種の9位。251トン(平成30年度:令和2年度版)10位のツヴァイゲルトより少し多いのだけれど、うちでの消費量が少ないのは、一本当たりの値段の高さかも? 育てにくいブドウだから、コストがかかるのかもね?
数値が出ているのは、1位長野104㌧、2位(たぶん)北海道86.3㌧。

もともとブルゴーニュのように寒いところでしかできないと言われてたピノ・ノワール。みなさんの努力によって、いろんなところでできるようになったけれど、まだ、1つの畑から盛りだくさん取れるよーってところまではいかないのかも? 物産展で接客してくれた北海道ワインの担当の人もヴァイスブルグンダー(ピノ・ブランだけど)はひと房あたりの重量も少なくて、収量がいかないので、なかなか農家さんが快く作付けを承知してくれないみたいなこと言ってたなぁ。

三次ワイナリー:白夜

写真は広島の三次ワイナリーの白夜。5500円のボトルはなかなか手が出ないので、ワイナリーの有料試飲(500円)で。