コンコード(CONCORD)と言えば、一番イメージしやすいと思えるのが「ウェルチ(ジュース)」ではないかな?
そもそも、ウェルチはウェルチ博士が低温殺菌でコンコード種のぶどうジュースを開発したところから始まったらしいよ。
濃い紫色の果汁、ポリフェノールいっぱい! 日本で「ぶどうの味」といえば、この味といってもいいくらい。黒ぶどう。
日本ワインにおけるコンコード種は、とにかく長野県一択!
国税庁の30年度分調査では、ワインに使われたコンコード種1824トンのうち1820トンが長野県産。なので、コンコード種のワインも長野県産が主流。
日本ワインの赤品種全体の中でも、マスカット・ベーリーA2993トンに次ぐ第二位!
系図については、「ベーリーのルーツを探る」の中に丸ごとスッポリ入っているので、そちらを見ていただきたいのだけど、
コンコードはマサチューセッツ州コンコードで1849年にエフライム・ウェールズ・ブル(英語版)によって作出された 。ブルは、ラブルスカ種の野生種から採種して、22000本の実生の苗木を評価し選抜した。(Wikipediaより)
というとおり、ヨーロッパ種のセミヨンと野生種を繰り返し交配して完成した種。
セミヨンは、フランスボルドー生まれ、古くから栽培されていて、今でもワインにされる品種。白ぶどうです。これと野生種でできたカトーバは、皮の色(Color of berry skin)はROUGE、Tasteは記述なし、さらに野生種を交配させたコンコードになると、皮の色はNOIR、TasteはFOXY(あ、これVIVCのパスポートデータからの情報です。)ということは、2回目の野生種が皮が黒っぽくて、いちごあめ臭=フォクシー・フレイバーのしっかりするぶどうだったのかな?
これが、さらにコンコードとシャスラ・ミュスケと交配したトリンプになると、SKIN=BLANCでTaste=NONEになって、ヨーロッパ系が強くなるのに、ここにリンセキュミ種のBIG BERRY(NOIR)を交配してベーリーになると、今度はNOIRでFOXYに。
ということは、ベーリーの色とフォクシー・フレーバーは、もしかするとコンコード由来じゃないの? それとも、隔世遺伝?
ベーリーの子ども、マスカット・ベーリーAは、マスカット系との交配ですが、Taste=NONEなので、特にフォクシーが強いとされているわけではありません。甘い匂いする気がするんだけど、マスカット系にもマスカット香(テルペン系の香りだとか)するしなぁ。
系図からすると、マスカット・ベーリーAの4代前(高祖父母)がコンコードなんだけど、どのくらい似てるかというと、よくわからなくなってきましたね。
遺伝子を受け継いでいる確率も少なくなるしなぁ。
ちなみに、ベーリーを祖先に持つぶどう品種は、まだまだ日本ワインぶどう品種の中には多くて、川上善兵衛プロデュースの5品種のうち、4品種は母親がベーリー種、さらにこの中のブラック・クイーンからできた甲斐ノワールも。さがせばもっとあるかも?
コンコードは、ナイアガラの親でもあるし……。ただ、データベースは逆引きは難しくて、やっぱり根気勝負になりそう。(つづく?)
#日本ワイン#今日のワイン
— もりのパパ (@morinopapa) November 14, 2019
2019 完熟 コンコード [赤] 辛口
長野県塩尻市 (株)アルプス
アルコール分:12%/糖度:7.9%(実測)
信州産のコンコードで造ったやや辛口赤ワインの新酒
コンコードの甘い香り。ヌーボーの若くフレッシュな感じ。ジュースっぽく嫌みな感じはしない。
☆☆☆☆☆ pic.twitter.com/j8DkCAqHrE