久しぶりに国税庁のサイトに行ってみたら、「酒類製造業及び酒類卸売業の概況(令和4年アンケート)」が出ていました。今回の調査は令和4年度分。一時、滞っていた時もあったけれど、順調に更新されているようです。
これまで同様アンケート調査なので、いろんな数量などは回答されたものの集計。厳密にいえば正確な数値ではないとは思うし、途中で集計のやり方なども変わっているために、経年変化を見るには、本当はふさわしくない部分もあるとは思うのだけど。
とりあえず、「ワイナリー数」については、酒類製造の免許を持っている製造場ということで把握されているため、抽出された数というわけではなさそう。
ここ数年、ワイナリー数は順調に伸びていて、平成28年(27年度調査)の時は、261だったものが、一番直近の令和4年では、なんと453までに!
(国内製造ワインの概況(平成27年度調査分)~30年度調査分 および酒類製造業及び酒類卸売業の概況 令和2年調査分~令和4年アンケート より作成)
地域に比較的小規模なワイナリーがたくさんできていることは、ニュース等でも耳にするだけに、ワイナリー数だけ見れば、日本ワインは伸びてる!と言えるのだけど、生産量的にみると、そうでもない感じ。
たしかに、令和4年は昨年より国内産ワインの生産量自体は増えているけれど、日本ワインについてはここ数年のデータからしても少なくなっていて、近年、国内製造ワインの中でのシェアも20%くらいで前後していたのに、ガクンと15%を切る状況に。もっとも、これは輸入果汁を使用した国産ワインが増産された(んだろう)という理由もあるからなのだけど。
日本ワインを製造するワイナリーは増えているのに、日本ワインの量は増えていない。国内のぶどう生産に限界があるから? それとも……?
実際、これまでのワイン(平成30年度までは果実酒として扱われていたので、ワインだけの生産量ではないけれど、たぶん、ほとんどがワイン)のデータを見ると、平成に入ってから、データのばらつきはあるものの、なんとなく伸びてきていたものの、もしかして、令和に入ってからは頭打ち状態になってないか?
以下は、30年度調査(30/04/1~31/3/31)に記載されていたグラフで、上のグラフと合わせるなら、上のグラフで「31年(R1)」=下のグラフで「平成30年」となり、上のグラフの最初4年分が、下のグラフの最後4年分と重なる……と思う。
調査や集計の方法も変わるわ、元号も変わるわで、わけわかんない感じですみません。
ちなみに、企業規模については、ワイン生産量上位8社を特定しようとしたのがいけなかったのか(結局、特定できていないけれど)、令和4年度からは生産量1000KL以上の項目がなくなり、300KL以上に統合されてしまいました。
300KL以上の回答者数は16。このうちワインだけを作っているのは1社だけ。
もっとも、アンケート調査なので、令和4年度の回答者数は対象事業所数が453あるうちの312者。7割くらいは未回答なので、どうなのかなーというところ。
前年度(令和3年度)を300kl以上でまとめると、対象事業所413のうちの回答者数295(回答率約7割)の中で300KL以上は15(300-1000kl未満)+8(1000kl以上)の23。300kl以上作っているワイナリーが令和3年から4年にかけて23→16になっているということは、規模縮小傾向にある・・・のかも?