日本8大ワインメーカーって?

平成29年度の調査で、「日本7大ワインメーカーって?2019年9月10日」という記事を以前書いたのだけれど、なぜか、最近、アクセス増。
国税庁の「果実酒製造業の概況」は、国内製造ワインの概況(平成30年度調査分)の後がなかなか更新されなかったので、しばらく見ていなかったのだけれど、去年の年末に「酒類製造業及び酒類卸売業の概況(令和2年度調査分)」として更新され、「ワイン製造業」についても、従前の調査と同様の資料の一部が公開されてました。

29年、30年とも、1000kl以上を製造するワインメーカーは7つだったのが、最新の調査では、8者に。専業率にも若干の変化が。調査対象期間は平成31年から令和元年末、一部については、令和2年3月31日までのものなので、まだコロナの影響はなさそう。

ちなみにワイナリー数はここ数年、うなぎのぼりで、前記事に303って書いてるけど、今回の調査では369。確かにマイクロワイナリーも増えているしなぁ。

このデータは、国内製造の全てのワインが対象になっているので、ここで言う8大ワインメーカーは、日本ワインだけを作っているわけではありません。8社については、専業率100%もゼロ。専業率は、「事業者の総売上高に占めるワインの売上高の比率」ですから、別の種類のお酒を造っている場合もあれば、まったく別の業態もあるはず。

今のところ、日本国内産の全ワインに占める日本ワインは20.8%。30年度調査が20.2%だったことから考えて、若干、伸びてはいるけれど、劇的に変わっているわけではなさそうです。ということで、1000kl以上の中には、相当数の日本ワイン以外の国産ワインがあって、おかしくないのです。

前回の記事の推測では、1000kl以上製造している7大ワインメーカーは、「たぶん大手ビール会社傘下の4社に、キッコーマン傘下のマンズワイン、北海道ワインを加えた6社

で、残り1社はわかんない…というところで、降参していたのですが……。今回、1000kl以上製造するところが8者に増えたことで、またわからない件数が増えてしまいました。

追記(2023/6):ここ最近、大きな企業の経営が変わってきていて、上記リストのうち、サントリーワインインターナショナルはサントリー株式会社の一部門に、サントネージュは株式譲渡により株式会社サン.フーズのグループ会社となってます(余市の新しいヴィンヤードはアサヒビールの中で「ニッカ余市ヴィンヤード」として存在しています)。ほかにも調べるとあるかもですが、これらの大きな動きについては、また後日の調査に。

さて、今回の統計のうち、「果実酒の製成数量・出荷量・消費量の上位 10 都道府県」を見ると、若干、以前の順位と入れ替わりがあり、国内ワインの製成数量(以前のデータは生産量)第一位が、神奈川県から栃木県になっています。

神奈川県が多いのは、藤沢にメルシャンの工場があるからだろうとは思っていたのですが、栃木県には、何があったっけ? 検索すると、いくつか日本ワインを作っているワイナリーも出てきますが、「都道府県別の製成数量及び出荷量」のデータも見ると、栃木県は日本ワイン以外の 製成数量 も多いのです。ということで、今、探すべきは、国産原料以外の原料を使ったワインを作っている工場。藤沢メルシャンで言うとBistroとか美味しい酸化防止剤無添加ワインとか、デイリーワインとしてスーパーとかでよく売ってるものを作っている工場が栃木県にあるはず。
で、見当をつけたのは、「デリカメゾン」。サントリーのワインですが、これを製造しているのは、どうやら「サントリースピリッツ株式会社 梓の森工場」。チューハイとか、ウィスキーなども作っていますが、ワインも作っていることがわかりました。デリカメゾンの裏ラベルにも記載されていたので、間違いはなさそう。
もしかして、サントリーワインインターナショナルとは、別会社カウントなのかもしれません。グループ企業だけど。

1000kl以上というと、全国に出荷してあちこちで売られている可能性も。 Bistroや美味しい酸化防止剤無添加ワイン、デリカメゾンなどの国内製造のワインは、どこのスーパーでも見かけますから、こんな具合に、どこでも入手できるものを作ってるところかも?(もっとも、県別で見ると1000klどころじゃなく万の単位)ここは、スーパーに行った時に要調査です。
目につかないところでは、業務用ワインとかもあるかも? ただ、輸入ワインもある今、業務用か?というと、やっぱり疑問。

今、もしかして? と思いついたのは、株式会社シャトレーゼホールディングス。従業員数は3000人以上だから、中小企業ではないはず。ただ、今回の統計資料から、中小企業割合がなくなったので、引き算から大きい企業を割り出すことができなくなってしまいました。とはいえ、会社規模=1000kl以上作っているとは、限らないしなぁ。
もっとも、シャトレーゼのお店は全国にあるし、そこで樽生ワイン(国産・日本ワイン両方ある)売ってるし。でも、違うかも?

「都道府県別の製成数量及び出荷量 」からすると、その工場が置かれている場所で可能性がある都道府県は、(ただ、この推測も県域をまたぐ複数の工場を持つ企業があるから特定できないんだけど)、北海道、栃木、神奈川、山梨、長野、岡山、あと、山形も県単位では1416klで1000を超えてはいるけれど、調査対象数が17あるし、違う気がする。

最初に推測した6者プラス栃木県のサントリースピリッツの工場は、だいたい、上記の6県にワイナリーがあったりする。複数の県にワイナリーを持っている会社もある……ってか、そっちのほうが多いか。

国税庁のデータと検索だけでは、〇大ワインメーカーを特定するのは、ここらあたりが限界かも?(わかるデータをお持ちの方、教えてください)