ちょっと前、moripapaが「世界を旅するワイン展2021」に行って、販売員の人に「山幸がヨーロッパ輸出用の品種として認められた日本で3つ目の品種」だということを聞いてきたのだけれど、その時は、「ふーん」くらいにしか思わなかったのでした。
もっとも、いろいろ調べていくうちに、これがO.I.V.(Organisation Internationale de la vigne et du vin:国際ぶどう・ぶどう酒機構:International Organisation of Vine and Wine)というフランスに拠点を持つ研究機関においての、品種登録だということが判明。
これに品種が登録されてなかったら、EUでは品種名をラベルに書いて販売することができないんだって。品種登録外のブドウを使うと「日本産赤or白ワイン」としか書けないから、せっかく、国際会議とかで甲州とかマスカット・ベーリーAという品種を外国の要人に知ってもらっても、品種名をアピールして輸出ができなかったということですね。
今のところ、2010年に甲州、2013年にマスカット・ベーリーAが登録されたので、甲州については10年経ったというわけなんだけど、このたび山幸が登録されたのは、なんと、2020年の12月。ワイン展が2021年の3月ということは、まさに、最新情報だったわけ。「トピックス:池田町独自品種「山幸(Yamasachi)」が国際ブドウ・ワイン機構(OIV)で品種登録へ」(北海道池田町 十勝ワイン(池田町ブドウ・ブドウ酒研究所)
山幸については、「清見ちゃんのルーツは?」の中でも触れているけれど、池田町ブドウ・ブドウ酒研究所で開発された品種で、セイベル13053のクローン選別から生まれた清見と山ぶどうを掛け合わせた品種。VIVC(Vitis International Variety Catalogue:国際ぶどう品種カタログ)のデータベースには未掲載。こっちは、ドイツの研究機関のデータベースなんよね。
ちなみに、OIVは、現在48か国が加盟しているけれど、日本は未加入。そのためか、検索しても日本語のページはわずかしか出てこない。ついでに言うと、アメリカも中国も未加入だけれど、オーストラリアやニュージーランド、チリやメキシコやブラジルといった中南米は加入。
日本ワインの輸出量もここ数年(と言っても、まだデータが30年のまでしか出ていない)伸びているから、いろいろ考えなきゃいけないのかも?
#日本ワイン#今日のワイン
— もりのパパ (@morinopapa) March 24, 2021
山幸(やまさち) 2017
北海道中川郡池田町 北海道池田町十勝ワイン
アルコール分:12.0%/糖度:7.2%(実測)
清見種と山ブドウを掛け合わせた「山幸」からつくったフルボディ寄りミディアムボディ赤ワイン
樽熟成の香りと不思議な酸味。苦味は少なく素直に飲める。
☆☆☆☆ pic.twitter.com/00H6DCusWB