赤ワイン、白ワイン……という分類のほかにも、「日本ワイン」というと、品種の系統別に見たほうがわかりやすいみたい。
日本ワインコンクールの部門一覧を見ると、なんか納得の分類方法だったので、これを基準に見ていきますね。
- 欧州系品種 VINIFERA ヨーロッパのぶどう:メルローとかシャルドネとか
- 国内改良等品種 HYBRID & OTHER 交配種:マスカット・ベーリーAとか
- 甲州 KOSHU
- 北米系等品種 LABRUSCA アメリカぶどう:コンコードとかナイアガラとか
- 欧州・国内改良品種等ブレンド BLENDED WINE
- 極甘口(残糖100g/L以上のもの)EXTREMELY SWEET WINE
- ロゼワイン ROSE WINE
- スパークリングワイン SPARKLING WINE
もっとも、6.の極甘口、7.のロゼ、8のスパークリングについては、ぶどう品種は問いません。
1.の欧州系品種、赤ワインから見ていくと、受賞ワインでもっとも目につくのが、「メルロー」ついで「シラー」「カベルネ・ソーヴィニヨン」「カベルネ・フラン」といったところ。フランスやチリあたりのワインでもよく見かける品種。
メルローについては、ぶどう品種全体のシェアでも上位に入るのですが、シラーは統計資料の上位には出てこない品種。これから伸びてくるのかな?
白ワインでは、なんといっても「シャルドネ」ついで、「ソーヴィニヨンブラン」、北海道の「 ゲヴュルツトラミネール 」とか「ケルナー」といったいかにもドイツ系の名前のぶどう品種。珍しいところでは「マスカットオブアレキサンドリア」グランポレール(サッポロビール)の岡山工場産。マスカットというと岡山だもの。(関係ないけど、瀬戸ジャイアンツ=桃太郎ぶどう、美味しいよね)
2.の国内改良等品種は、マスカット・ベーリーAに代表される交配種。赤ワインでは、マスカット・ベーリーAのように、北米系+欧州系もあれば、ヤマソービニオンのように北米系の入っていない品種も。受賞ワインでは、圧倒的にマスカットベーリーAが多いけれど、ついでブラッククイーン(川上品種)、ベリーアリカントA (川上品種) やヤマソービニオンといったところかな。
一方、白ワインは、エントリー数自体が、赤ワインの6分の1。品種としては、レッド・ミルレンニューム(川上品種)、セイベル9110、リースリングリオン、サンセミヨンといったところ。
3.の甲州は言わずもがな。これだけが独立部門を持ってるザ・日本ワインな品種ですね。
4.の北米系等品種に分類されるものは、品種自体は多いのだけど、2019年のエントリー数でみると、ぐっと少なくなってきます。赤の受賞ワインでは、キャンベルアーリー一色。アジロンダックとか、コンコードとかもこの部門なんですけどね。
白も、ほぼナイアガラですが、デラウェアも頑張ってます。今回の受賞ワインでは見当たりませんでしたが、収量の上位にランクインしているポートランドもこの部門です。
フランスやチリなどの欧州のワインに似たワインを選びたいなら、欧州系部門のワインを、華やかな香りのするワインを飲んでみたいなら、交配種や北米系といった具合に、選びやすくなるかもです。
詳しくは、日本ワインコンクールの 部門一覧 を見てくださいね。